こぼれた仕事はプロジェクトが拾う。問題だけが、上がってくる。手に負えなくなれば、丸ごと投げてくる——巻き取るしかない。責任範囲は際限なく広がり、マネジメントの時間が真っ先に消える。
情報は、部門ごとに散らばっている。プロジェクト全体として見える形になっていない。判断を迫られても、根拠が手元にない。コスト超過も日程遅延も、「受け入れざるを得ない」ものになっていく。
クリティカルパスという言葉すら、通じない。やり方は人それぞれ、その場その場で考えて回している。言葉も、進め方も、あるべき姿も、揃っていない。
立ち上げ期は、それで良かった。残業で埋め、力で回して、成功させてきた。だがその成功が、標準化を遠ざけた。経験は人の中にしか残らず——成功しても、そのままでは再現できない。
報告の場では、順調に聞こえる。現場に下りると、景色が違う——不具合と遅れが、積み上がっている。問題がプロジェクトに届いた時には、打てる手が残っていない。残業と、人の投入しか選択肢がない。
上層部に、遅れを説明する。遅れているのは、自分の設計だ。「挽回します」と言いながら、内心「できるわけがない」と思っている。その矛盾を、誰にも言えないまま一人で抱えている。
プロジェクトの成果物に、責任を負う部門がどこにもありません。業務分掌は明確です——ただし、自部門の業務に対してだけ。部門をまたぐ成果物は誰のものでもなく、こぼれた仕事はプロジェクトに集まります。本来の持ち場へ降ろし直そうにも、プロジェクトには人と仕事を動かす権限がありません。残るのは、責任だけです。組織が悪いのではありません。プロジェクトのために設計されていないだけです。
「自分で自分を追い立てる」のが無意味な理由は単純です。もしそれで動けるなら、最初から自分の意志でスケジュール通りにやっています。できないから遅れているのです。これは根性の問題ではありません。作業者と管理者を、一人が兼ねていることの帰結です。
情報の集約も、共通言語も、仕組みとして設計されていません。それでも回っているのは、リーダーシップのある個人の頑張りが、仕組みの不在を肩代わりしているからです。だが肩代わりは、その人の手が届く範囲までしか効きません。届かないところから判断材料が欠け、問題の発見が遅れていきます。足りない分を「主体的に動け」とメンバーに求めても、埋まりません。主体性は、求めるものではなく、仕組みが生むものです。
この3つを放置すると、悪循環が始まります。炎上が余裕を奪い、余裕のなさがリスクを黙らせ、それがさらなる炎上を呼びます。最後には、悪い報せが隠されるようになります。
繰り返すのは、あなたのせいではありません。構造のせいです。だから、構造で解きます。
問題を知らない人は、ほとんどいません。足りないのは知識ではなく、推進を引き受ける役割です。
GPMは、その役割ごと入ります。納品するのは分析レポートではなく、推進力です。
最初から、離脱を前提に設計します。依存関係を作らず、自走する構造を渡します。
診断で始め、再設計で流れを変え、共通言語で定着させます。
資料が揃っているかは、聞きません。仕組みが機能として根付いているかを、6段階で測ります。「あるが、回っていない」が見えたところに、処方箋を付けて返します。
責任の持ち場、会議体、情報と意思決定の経路——ここを設計し直します。基準はひとつ、リスクが見えるかどうか。情報の集約点を作れば、ガバナンスは機能し始めます。
研修が目的ではありません。人によってバラバラのやり方を揃えるための、課題解決の手段です。理論は共通言語として、実践は判断軸として——正解を教えるのではなく、判断基準を自分の内側に育てます。
問題を「解決」したのではなく、問題が起きる「構造」を変えました。現場の事例をご覧ください。
不具合品の処置プロセスは、社内外の10以上の部門を横断する複雑なプロセスだった。どこで何件止まっているかをデータベースにして、毎週の会議に出す。どの承認段階で止まっているのか、隠せなくなった。止まっている先を、社内は増員、社外はトップ合意と、一つずつ動かした。動かなかった滞留数が、下がり始めた。
事例を読む →部門ごとの報告をやめ、成果物ごとの報告に組み替えた。資料を更新させ、議事録を発信し、議論を回した。決められる人を、その場に出させた。この会議には価値がある——そう認識されて、出席率は70%から90%に上がった。
事例を読む →バッドニュースは速攻で出せ。影響の見立ては1週間以内。打ち手は最初にたくさん並べろ。この要求を、年に2〜3回来る大きな問題のたびに繰り返した。何度も回すうちにメンバーが型を覚え、求められることを各自が分かっているから、回すたびに速くなる。それがそのまま、プロジェクトの安定につながった。
事例を読む →プログラムを後任に引き継いだ。その後、部品供給が枯渇する危機が来た。後任のチームは、残っていた型の上で対策を回し、エンジン組立を止めずに立て直した。仕組みが本物かどうかは、平時にはわからない。作った本人が抜けた後の危機だけが証明する。
事例を読む →
元川崎重工業。大型プロジェクトの実務16年——化学プラントEPC(1,500億円規模の海外プラント設計)に8年、航空エンジンの国際共同開発(PW1100G-JM)のプログラムマネジメントに8年。米国PE(Professional Engineer)・PMP(Project Management Professional)。
専門領域:プロジェクト/プログラムマネジメント、プロジェクトガバナンス設計、PM人材育成(製造業・重工業)
現状をうかがい、詰まりの当たりを、その場で1つお返しします。資料のご用意は不要です。
その当たりを、全量で測るのがPM定着度診断です。範囲と進め方を決めて、お見積りをご提示します。ここまでで費用は発生しません。
最初のご契約は、小さく区切った診断から。いまある資料の送付と、60分×2回のインタビューで始まります。
担当は、代表一人 — 診断も、再設計も、研修も、最初から最後まで私がやります。営業だけ来て、実務は別の誰か——ということはありません。
話が途中で変わらない — 間に人がいないので、伝わり漏れも、引き継ぎのやり直しもありません。最初の30分で話した相手が、そのまま実行者です。
契約は段階ごと — 診断・再設計・定着は区切って契約します。次に進むかは、前の段階の結果を見てから決められます。
秘密保持 — 必要に応じて、資料の授受の前に締結します。
「サポートします」ではなく、成果が出るまで旗を振り続けます。それが、私の約束です。
「うちのプロジェクト、どこから手をつけていいか分からない」という状態からでも大丈夫です。